インターンシップの志望動機を書く準備やポイント。就活に備えよう
インターンシップに応募して採用されるかどうかにおいて、志望動機は重要なウエイトを占めています。志望動機をどのように書けばよいのか、ポイントや書く前の準備について解説します。業界別の記述例も紹介するので参考にしてください。
目次
インターンシップの志望動機の必須事項
インターンシップとは、興味のある企業で実際に働いてみる職業体験制度です。インターンシップをうまく活用することで、就活に有利に働く可能性や、社会人としてのスキルがアップする点に期待が持てます。
インターンシップの希望者が複数いる場合は、選考が行われる場合もあります。候補者を絞り込む際に、志望動機は重視される要素です。志望動機をきちんと書くために、まずは次の点を覚えておきましょう。
コピー・流用をしない
志望動機を書く際にまず気を付けたいのは、コピペや流用は絶対にしないことです。理由としてはまず、発覚した場合のリスクが大きすぎるという点があります。
インターンに採用されないばかりか、就活本番でエントリーした際に、採用される可能性は限りなくゼロに近くなるでしょう。わずかな手間惜しんだばかりに、それに見合わない大きなリスクを背負うことになります。
自分で書くよりも質の高い文章に仕上がりそうな気がするかもしれません。しかし、さまざまなソースから切り抜いてくると文章がチグハグになったり、内容に矛盾が生じたりします。
大量の応募書類に目を通す面接官の目には、むしろ質の低い文章として映ってしまう可能性は低くありません。また面接などの志望動機に関する受け答えを掘り下げられなかったり、曖昧になったりといった問題も生じます。
文章が苦手でも、志望動機は必ずオリジナルなものを作成しましょう。
指定文字数の8割は埋める
指定文字数に対して空白が多いと、モチベーションの低さを疑われてしまいます。
かといって文字数が多ければよいというものでもありません。指定文字数を大幅にオーバーしてしまうと、規定を守ることができない人物だと思われてしまい、信頼性が低下します。
オーバーするにしても、10~15%程度に抑えるようにしましょう。とはいえ、指定文字数を超過しないに越したことはありません。
一般的には、指定文字数の8割程度の分量で簡潔にまとめることを意識しましょう。400文字指定であれば、300字程度でまとめるのが無難です。
いきなり書き始めてはいけない
準備せずに志望動機をいきなり書き始めるのはNGです。構成を練ったり下書きをしたりすることなく思いつきで書くと、脈絡がなくなる、途中で主張がブレるといった問題が起こる可能性が高まります。
内容を深く掘り下げずに書くことで、薄っぺらい志望動機になってしまう危険性もあるでしょう。志望動機を書く際には、きちんと準備をしてから書き始めることをおすすめします。
志望動機を書く前にすべきこと
前述の通り、志望動機を書き始める前にはきちんと準備をして、書く内容を決めてから書くようにしましょう。どのような準備が必要なのかを解説します。
自己分析
一つは自己分析です。自己分析を行うことで、自分の長所や今まで自覚していなかった内面の変化や感情に気づくことができます。
また、自分はどのような仕事がしたいのか、将来的にどのようなキャリアプランを構築していくべきなのかも明らかになるでしょう。
自己分析は、過去の出来事を洗い出し、それに対して自分が何を得たのか、どんな感情を持ったのかという点を掘り下げていくのがオーソドックスな方法です。
例えばアルバイトでの印象的な出来事を掘り起こしてみれば、自分がどんな仕事に喜びを感じるのか、仕事を行う上で何を重視しているのかがわかってくるでしょう。
自己分析で掘り起こしたこうしたエピソードを盛り込むことで、志望動機にも説得力を持たせることが可能です。
企業研究
企業研究も志望動機を書くためには重要です。志望動機がどんなに立派なものであっても、それがエントリーする企業にマッチしていなければ採用は難しいでしょう。
また採用の可否を判断する側にとっても、自社をより理解している人に働いてほしいと思うのは当然の感情です。
企業理念や事業の内容、具体的にどのようなサービスや商品を提供しているのか、どんな人が働いているのかなど、事前に情報収集を行い、なぜこの企業で働いてみたいと思ったのかを志望動機に具体的に盛り込めるようにしましょう。
志望動機を書くときのポイント
自己分析や企業研究などの事前準備がしっかりとできたら、いよいよ本格的に志望動機の作成に取りかかります。その際どのような点に気を付ければよいのか、ポイントを紹介します。
なぜその企業でインターンシップに参加したいか
なぜその企業のインターンシップに参加したいのかを明確にしましょう。企業研究が不足していると独自性が薄い内容しか書くことができず、あまり魅力的でない文章になってしまいます。
採用担当者からも「この内容ならほかの会社でもよかったのでは?」と思われてしまうかもしれません。
なぜこの企業でインターンシップを行いたいのか、その理由を具体的に掘り下げていくことが重要です。
自分がやりたいことを明確にする
インターンを通して自分のやりたいことを明確にしましょう。その企業で実際に働いている姿をイメージしてみることがポイントです。
インターンシップを経験することでどのようなスキルを獲得したいのか、どのような業務を体験したいのかなど、やりたいことをはっきりさせて、それを志望動機に盛り込みましょう。
これもやはり、エントリーした企業でのみ経験できることを記載できるかという点が重要といえます。自発的に学ぶ姿勢を見せることで、積極性や熱意をアピールできるでしょう。
インターンシップの志望動機の具体例
インターンシップの志望動機の書き方の具体例を紹介します。企業ごとに掘り下げていくことも重要ですが、業種や職種によって差別化を図ることも必要です。差別化のポイントについても注目してみましょう。
広告業界の記述例
広告業界の仕事は、企画や運用を行うプランニング、デザインや内容を考えるクリエイティブ、商品やサービスをクライアントに販売する営業の三つに分かれます。これを踏まえた上で志望動機を作成しましょう。
広告を通じて自分のメッセージを社会に発信する方法を学びたいという思いから、インターンシップへの参加を希望させていただきました。
ブログを運営していた際に、自分のメッセージをどのように発信するかを試行している中で、広告の面白さやメッセージの強さに気づかされました。
広告のデザインやコピーライティングを通じ、自身のメッセージをより多くの人に届けたいと思っています。
インターンシップを通じて、広告を制作するためのテクニックやプロセスについて学びたいと思っております。
IT業界の記述例
IT業界と一口にいっても業種は幅広いため、具体的に何をしたいのかを絞ることが大切です。その上でどんな分野に携わりたいのかを、動機に盛り込みましょう。
ITは将来的にますます生活に浸透し、身近なものになっていくと考えております。
介護ボランティアを通じて人の生活を助けることが好きだと気づいた私は、より多くの人に影響をもたらすことができるガジェットやITツールを開発したいと考えており、その道に進みたいと思っています。
貴社のインターンシップを通じて、多くの人の役に立つアプリケーションやツールの開発を手がけたいと思い、この度インターンへの参加を希望させていただきました。
保険業界の記述例
保険業界は生命保険・損害保険など、扱う保険の種類によってビジネスモデルが異なります。インターンシップを希望する企業が、どのような保険を扱っているのかを事前に調べておきましょう。
私は、保険商品は人々の安定した生活を支える基盤であると思っています。過去に家族が交通事故に遭った際に、保険によって私自身の生活を助けられた経験があるためです。
将来的には、人々がより安心を得られる保険商品の提案・販売の仕事に携わりたいと思っています。そのための一歩として、貴社でのインターンシップを希望いたします。
貴社の保険商品の提供の仕方やお客様目線に立ったサポートから、保険について詳しく学んでいきたいと考えております。
公務員の記述例
公務員のインターンシップで志望動機を述べる際には、応募する自治体の取り組みなどを具体的に交えながら記述するよう心がけましょう。
私は、地元である〇〇市が行っている××政策に大変興味があります。私の両親は△△商店街でお店を営んでおり、市の商店街活性化に対する政策によって、商店街が明るくなっていくのを身近で体験しました。
自分自身も商店街側からではなく、政策を考える側の視点に立って街の活性化に貢献できないかと考え、今回のインターンシップに応募させていただきました。
志望動機を書く際の注意点
志望動機を記述する際の注意点についても解説します。記載を控えた方がよいこと、より質を高めるためのポイントを見ていきましょう。
待遇を理由にしない
同じ業種であっても企業によって業務内容は異なり、待遇も千差万別です。志望動機を書く上で企業ごとの特徴に注目することは必要ですが、待遇について記載するのはおすすめしません。
「インターンシップでも給料が出る」「交通費が出る」「社食がおいしいと聞いた」などの理由は企業の理念や事業とは関係がなく、インターンシップ本来の主旨からずれてしまいます。
インターンシップは、学生に社食を食べさせたり給料を払うために行っていることではありません。企業理念や事業内容など、学ぶべき部分を掘り下げましょう。
学ぶだけではいけない
インターンシップを実施している意図も、企業によって違います。学生に学ぶ場を与えているという企業もある一方で、仕事の能力を見て即戦力となる人材を確保するためという、将来的なメリットを考えている企業もあります。
そのため、「ただ学ばせてもらう」という姿勢では、企業側は不満に感じてしまうかもしれません。企業に対して将来的にどのように還元できるのかや、何がしたいのかなども動機に含めましょう。
研究を重ねてより具体的に書くことが重要
インターンシップの志望動機は、自己分析や企業研究などの準備を十分に行い、内容を練り上げてから書き始めましょう。自分のやりたいことを明確にしたり、具体的なエピソードを交えたりすると説得力が出ます。
学ぶだけの姿勢ではなく、具体的にどのような貢献ができるのかを、業界や業種ごとに適した志望動機を用意することが重要です。研究を重ねることで、ほかのインターンシップ希望者には描けない、独自性のあるものに仕上げましょう。