自分を客観的に見る上で押さえておきたい、自分史の書き方について
自己分析は、就活における最重要課題といっても過言ではありません。自己分析をする上で、ぜひ実践したいのが自分史を作成することです。自分史は、自分のこれまでを振り返って作成します。自分の人生の記録である自分史は、自分を客観的に見て、自分を理解するための最強のツールとなるでしょう。
しかし、自分史の書き方について分からない人もいるもしれません。そこで当記事では、自分史の書き方やポイント、メリットについて解説していきます。ゼロから自分史を書き上げる方法を網羅していますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
そもそも就活における自分史とは一体どういうものなのか
自分史とは、自分自身が歩んできた人生の記録です。自分史が就活とどのように関係があるのか、疑問に感じている人も多いのではないでしょうか。しかし、就活における自分史は、最強の自己分析ツールと言えるかもしれません。
自分史を書くためには、自分の人生を俯瞰し、自分自身の内面と向き合う作業が不可欠です。そのため、自分史を作ることは、自己分析そのものと言えます。自己分析は就活において重要な要素です自分史を書き、自分を深く理解することは、就活において驚くほどの効果を発揮するでしょう。
自分史を通して一体何を得ることができるのか
自分史を通して具体的に得られるものは4つです。
「1、客観的に自分を知れる」
「2、自分に合った仕事が見つかる」
「3、自分のアピールポイントが見つかる」
「4、課題が明確になる」となります。
一つの作業に取り組むだけで多くの収穫が得られるのは、自分史ならではの魅力でしょう。
自分史を通して得られるものを理解することは、自分史を書くモチベーションにもつながるはずです。自分史から得られることについて、確認していきましょう。
自分のことを客観的に見直すきっかけが得られる
自分史は、自分のことを客観的に見直すきっかけをくれます。そもそも自分の積んできた経験を客観的に見ないことには、自分史は書けません。また、自分のこれまでを紙に書き出すことで、自分の人生を感情と切り離し、冷静に振り返ることができます。自分のことを客観的に見直すことは、自己分析にも必要不可欠な要素です。
客観的な視点から、自分という人間を見直すことで、普段の生活では決して気づけない新たな気づきや発見が得られるでしょう。日常生活で、自分のことを見直すきっかけはなかなかないものです。自分史を作ることは、自分を見直す貴重な機会を作ることそのものとも言えます。
自分の好きなことや特技が仕事に活かせるかどうかを知ることができる
自分の人生を振り返る過程では、必ずといっていいほど「自分の好きなこと」「自分の特技」を知ることができます。自分史は、自分の行動を振り返り記録していきます。自分が起こしたアクションには、必ず感情がセットとなっているはずです。
例えば、高校時代や大学時代に熱中していたことや、自分が取り組んでいたことを書き出したとします。書き出したことに対し「あのときは大変だったけど充実していた」「周りを気にせず没頭していた」など、今だから気づける感情と出会えるはずです。
自身の体験を客観的に振り返ることで気づけた、自分の「好きなこと」や「特技」は、そのまま就活に活かせます。好きなことが分かれば、自分が行きたい会社を見つけるのもラクになるでしょう。自分の特技は、自分の強みとして仕事や就活に活用できます。
自分のアピールポイントを見つけることで面接やコミュニケーションに活かせる
就活における自分史の醍醐味は、自分のアピールポイントを見つけられることでしょう。今の自分ではなく、過去の自分の行動や感情に目を向けることは、自分の強みを見つけるための近道です。過去の行動を書き出し、行動を客観的に分析することで、自分のアピールポイントが見つかることでしょう。
例えば、「高校時代は一人で読書をする時間が多かった」のであれば、「周りに流されず自分の決めたことに打ち込めること」はアピールポイントの一つでしょう。また、自分史では今と過去を比較することでもアピールポイントを見つけられます。高校時代は控えめな性格だったが大学に入ってからは積極的な交流を心がけた、など心境や行動の変化にも気づけるでしょう。
自分がアクションを起こし、変わったという経験も大きなアピールポイントです。このように自分の強みを理解していることは、自己PRはもちろん、面接でも大きなプラスとなります。
今後の課題は何かハッキリさせることができる
自分史を書くことは、課題の明確化にもつながります。自分史を通し自分を深く理解すると、自分のポジティブな面だけでなく、ネガティブな面も見えてくるはずです。課題の明確化は、まず何が自分の課題であるかを自覚することからはじまります。ネガティブな側面を客観的に見ることは、課題を認識するための第一歩です。
自分のネガティブな面と向き合い、自分の課題として改善に取り組みましょう。今後の課題がハッキリしていると、取るべき行動も明確になります。自分の課題を把握し改善していくことは、全ての社会人に求められる力です。自分の課題が明確になっており、克服するために行動をとっている人は、面接でも高評価を得られことでしょう。
自分史の書き方について
ここからは、自分史の書き方を解説していきます。自分史と聞くと、難しそうなイメージを抱く方もいるでしょう。しかし、自分史はたったの5ステップで仕上げられます。手順通りに作業を進めていくだけで、誰でも簡単に自分史を作ることが可能です。
自分史を書くためのポイントやコツを5つのステップごとに紹介しています。魅力的な自分史が完成しますので、ぜひ実践してみてください。
中学生・高校生・大学生の頃などこれまでの自分について振り返る
ステップ1は、中学生・高校生・大学生の頃などこれまでの自分について振り返ることです。自分史は、これまでの自分の人生を記録することで完成します。
自分を振り返る際のポイントは、中学・高校・大学などカテゴリー分けして考えることです。いきなり年齢を軸に過去を振り返ると、思い出や記憶との関連付けがうまくできずに、書き出せないこともしばしばあります。
まずは、小学・中学・高校・大学など大きなくくりで、自分の経験を書き出してみましょう。最初は、経験や体験のみを書き出すのがポイントです。そのとき感じた感情は、一通り経験を書き出した後で整理していきましょう。
そのとき感じていたことや心情はできる限り「リアル」に書くことが大切です。思っていたことをありのままに書くことで、本当の自分が見えてきます。
ただし、思い出したくないほどツライ体験がある人は、無理して書くことはありません。考えすぎず気楽に取り組むことが、自分史を作り上げるコツです。
大まかな年表を作っていく
ステップ2では、大まかな年表を作っていきます。年表を作る際は、ステップ1で書き出した内容を活用しましょう。
カテゴリー別に書き出した経験や感情を、別に作った大まかな年表に当てはめていきます。ゼロから年表を作ると大変ですが、あらかじめ書き出しておいた経験を年表に当てはめるだけなので、誰でも簡単に行えるはずです。
例えば、高校時代に「部活に入部、転校、大学受験」というイベントがあったとします。これらのイベントを時系列に整理するイメージです。自分の経験や行動を時系列に並べることで、感情の変化や行動の前後関係などが分かります。時系列で自分を振り返ることは、今の自分を理解することにも役立つでしょう。
年表を作る際は、一度大雑把に書いてみるのがおすすめです。後から、加筆や訂正は何度でもできますので、まずはざっくりと大まかな年表を作ってみてください。
自分史を書くために必要な資料を集める
ステップ3は、自分史を書くために必要な資料を集めることです。必要な資料は、2つに大別されます。1つ目は、書くためのテンプレート資料、2つ目は、内容を掘り下げるための資料です。
内容を掘り下げるための資料は、昔書いていたノートや日記など、過去の自分の考えが分かるものです。過去の自分の考えが分かる資料は、自分を振り返る上で大きな役割を果たしてくれます。中には過去の自分が分かる資料がない方もいるかもしれません。なければ自分史を作れないという、というわけではありませんので、ない場合は資料なしで進めていきましょう。
実際に自分史を書いていく
スッテプ4では、実際に自分史を書いていきましょう。書いていくにあたって、まずは人生全体を振り返っていきます。ステップ2までで作成した大まかな年表を参考にしながら作成すると、スムーズです。全体を振り返っていく際は、自分がとってきた行動や感じてきた感情にしっかり目を向けましょう。自分自身と向き合うことで、同時に自己理解が進みます。
なかなか人生全体を振り返ることが難しいという方には、1つのテーマを決めて書く方法もおすすめです。「特別だった瞬間」「転機となった出来事」「楽しかったこと」など、テーマを1つ決めましょう。テーマを限定することで、考えがスムーズにまとまり、気楽な気持ちで書けます。テーマを限定して自分史を作ったとしても、自己分析は大幅に進むはずです。
<h3>完成した自分史の添削・追記を行う</h3>
ステップ5では、完成した内容の添削・追記を行います。一度書いた内容を見返し、添削や追記を重ねていくことで、クオリティは格段に向上します。また、何度も繰り返し修正することで、より自分自身を知ることができるでしょう。
追記や添削のポイントは、一度にたくさんしようとしないことです。一気に全部を見返すとなると、それなりの労力と時間を要するのでなかなか継続できません。それよりも範囲やテーマを決めて、回数を重ねる方が修正はすすむでしょう。ブラッシュアップをすればするほど自分を知れると考え、少しずつでも継続して取り組みましょう。
自分史を書く際に最低限意識しないといけないこと
自分史を書く際に最低限意識しないといけないことは、6つあります。6つのポイントを意識して書くのと、何も考えずに書くのでは、仕上がりに雲泥の差が出るでしょう。
「1、自分に合ったテンプレートを用意する」
「2、相手にイメージしやすいように書く」
「3、エピソードを具体的に書く」
「4、友人や家族から当時の自分について聞く」
「5、他の方の自分史の良い部分を取り入れる」
「6、エージェントに就活の進め方について相談する」、という6つのポイントについてそれぞれ解説していきますので、確認してみてください。
自分に合ったテンプレートを用意する
自分史には、年表を書くためのテンプレートがあります。テンプレートにはさまざまな種類があるので、自分に合ったものを選ぶことが大切です。無料で活用できるものには、マイクロソフト・Land lsland・アート印刷株式会社が提供しているものなどがあります。以下に、各テンプレートの特徴をまとめました。
- マイクロソフト
シンプルなデザインが特徴の年表です。すでに完成しているものに、写真と文章を差し替えるだけで使用できます。使いやすさを重視したい人におすすめです。
- Land lsland
ワードの表で構成された年表テンプレートです。表を作成する際は、自分でボックスの幅を決められるなど、幅広いアレンジができます。また、Land lslandのサイトには、自分史年表を作成するための情報ブログも掲載されているのが特徴です。時間に余裕のある方は、ブログにも目を通してみると参考になるでしょう。
- アート印刷株式会社
ワードの表で作成された見やすいデザインが特徴の年表です。項目は、「年」「年齢」「自分のこと」「家族や身の回りのこと」「社会・文化の動き」の5つが用意されています。年は、2015年まで全て記入されているので、それ以降だけ追記すれば完成です。
テンプレートを選ぶ際のポイントは、自分に合っているかどうかが重要です。テンプレートは一通りダウンロードしてみることで、自分に合ったものがわかります。また、時間に余裕がある人やこだわりたい人は、自作してみるのも良いでしょう。自作する場合は、ワード・エクセル・パワーポイントから簡単に作成可能です。
相手にイメージしやすいように書く
相手がイメージしやすい内容を意識することで、自分史は上手に書けます。「相手がイメージできるか?」を意識することで、必然的に具体性が上がります。内容が具体的であるほど、自己分析の精度も上がるものです。
もちろん、実際に誰かに見せる必要はありませんので、ありのままに感じたことを書きましょう。
一つ一つのエピソードを具体的に書くようにする
起こった出来事は、なるべく具体的に書くことを意識しましょう。エピソードを具体的に書くことで、それに付随して、そのとき感じた感情も鮮明さを増します。いきなり具体的なエピソードを書くことはハードルが高いので、まずは出来事のみ書いていくのがおすすめです。
例えば、「受験」「インターン」などザックリと出来事を書き出し、その後に一つ一つのエピソードを深掘りしていきます。抽象的な内容を羅列しただけでは、自分史の核である自己分析は進みませんので、ぜひ具体的な記述を心がけてください。
友人や家族から当時の自分について聞く
友人や家族から当時の自分について聞くことも、効果的な自分史作成方法です。他の人からの視点を取り入れることで、より俯瞰して自分というものを理解することができます。中には、友人や家族に当時の自分について聞くことに抵抗がある人もいるかと思います。そういった場合は、無理に聞かなくても構いません。ワンランクアップさせるテクニックとして覚えておきましょう。
他の方の自分史を見せて頂いて参考になる部分を取り入れる
他の方の自分史を見せてもらうことは、自分史作成の大きな参考となります。自分史の内容はもちろん、その作り方も人によってさまざまです。明確な作成ルールがないため、他の方の自分史を見ることで、新たな発見や真似したくなるポイントが多く見つかるでしょう。
ネットで公開されているものもありますので、アップされているものを参考にするのもおすすめです。
エージェントに就活の進め方について相談する
自分史を書く目的は、自分を客観的に振り返り自己分析を進めることにあります。就活において自己分析をするのは、自分の理想としている会社に入社するためにほかなりません。自分史の作成をしている方の中には、就活の進め方に悩んでいる方もいるかと思います。
就活の進め方に悩んでいる方は、エージェントを上手く活用しましょう。エージェントは、専門的なポジションから就活のサポートをしてくれます。一人でおこなう就活では、分からないことが多く困難を極めるものです。いつでも無料で就活のプロに相談できるエージェントに登録しておけば、分からないことがあっても安心できます。理想の会社に入社するためにも、ぜひ活用してみてください。
まとめ
ここまで自分史の書き方について解説してきました。自分史を書くメリットや書くためのポイント、具体的な書き方が分かったのではないでしょうか。自分史は自己分析をおこなう上で強力な味方となってくれます。就活・転職を成功させるためにもぜひ取り組んでみてください。
また、自分一人での就活・転職には限界があります。専門の知識を持った協力者を見つけることが、就職を成功させる秘訣です。もし分からないことがあった場合は、就活・転職のプロであるエージェントに相談してみましょう。専門的な知見から的確なアドバイスをくれるだけでなく、就職活動を徹底的にサポートしてくれます。理想の会社に入社するためにも、ぜひ活用してみてください。