就職活動の時期とは?選考解禁から終わる時期まで徹底解説
大学3年生になると、多くの学生が就活を考え始めます。しかし企業によって就活の時期がさまざまで、正直いつから始めればいいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。就活は業種や企業によって、選考解禁から終わる時期が違います。そこで今回は就職活動の時期、就職活動が始まる日程や準備ついて解説します。
目次
就職活動の時期とは?選考解禁の時期を見逃すな!
就職活動を始める適切な時期があることをご存知でしょうか。2019年の大手企業による選考解禁日は、2018年卒と同じ大学4年生の6月、会社説明会は大学3年生の3月からスタートすることが決定しています。そのため多くの学生はこの時期を目安に、就職活動を始めることになります。しかしこの日程だけ知らされても、「結局いつからが就職活動の時期なの?」と疑問に感じる方もいるはず。気がついたら希望の業種、企業の選考が終わっていたという状況はなんとしても避けたいですよね。そこでまずは、なぜ就職活動がこの時期に設定されているのかを理解しましょう。
就職活動の時期は決められているのか?
そもそもなぜ就職活動の時期が決められているのでしょうか。日本中の大学3、4年生が同時に就職活動を始め、大学のキャンパス内でも就職活動のイベントが頻繁に開催されるようになります。自分は好きなように就職活動がやりたいのに……。そう考える学生も多いはず。それでは、誰がこの時期に就職活動を始めることを決めているのでしょうか。
誰がスケジュールを決めているのか
就職活動の時期を決めているのは、日本経済団体連合会(以下、経団連)です。経団連には約1400社が属しており、業種別全国109団体、地方別経済47団体で構成されている組織です。終戦直後の1946年に誕生した、日本経済の再建・復興を主な目的としている組織です。貿易の自由化、自由競争の促進、エネルギーや環境問題への取り組み、賃金交渉への対応など、経済界が抱える課題を解決するために活動しています。
経団連が就職活動時期を遅らせるために作成した「倫理憲章」
経団連は1997年から2016年まで、就職協定にかわる指針として「採用選考に関する企業の倫理憲章(倫理憲章)」を掲げていました。しかし一部の企業が倫理憲章を守っていないことが判明したことで、2013年から成長戦略の一環として、学業に専念させるべく「就職活動時期を短縮」する要請を受けいれます。これにより新たな「採用選考指針」が生まれ、情報解禁は3月、面接開始時期が6月というスケジュールが誕生しました。
経団連には大手企業が所属している
経団連には誰もが知っている、以下の大手企業も属しています。
- 日立製作所
- 日本生命
- 三菱重工業
- トヨタ自動車
- 三菱商事
- 東京ガス
- ANAホールディングス
- みずほ銀行
経団連に加盟している以上、たとえ大手企業でも「採用選考指針」に従う必要があります。そのため大学の就職活動が解禁になる3月からは、いくつもの合同説明会や会社説明会が行われます。
企業の選考スケジュール
企業の選考スケジュールは、経団連に所属しているかどうか、日系か外資系か、その他特殊な業界であるかどうかなど、さまざまなパターンに分かれます。そこで今回は、経団連加盟大手企業、経団連非加盟大手企業、外資系企業、一部マスコミの4種類に分けてご紹介します。
経団連加盟大手企業
経団連に加盟している企業は「採用選考指針」に従う必要があります。そのため大学3年生の3月1日に情報(合同説明会、会社説明会)が解禁され、大学4年生の6月1日から選考が開始されます。スケジュールの詳細については以下の通りです。
- 説明会、ES提出【大学3年3月~大学4年5月】
- インターンシップ【大学3年6月~大学3年2月】
- 選考【大学4年6月~8月】
- 内定【大学4年6月~8月】
ただしインターンシップについては決まった日程がないので、就職したい企業があれば、できるだけ早く情報を調べておきましょう。
経団連非加盟大手企業
経団連に所属していない企業は選考時期に規定がないため、先んじて選考を始めることが可能です。経団連非加盟で有名なのは企業としては、「楽天」「サイバーエージェント」などが挙げられます。スケジュールの詳細については以下の通りです。
- 選考活動 【大学3年2月~大学4年8月】
- インターンシップ 【大学3年6月~大学3年2月】
- 内定 【大学4年3月~8月】
経団連に加盟している企業の就活時期に合わせていると、少し出遅れてしまう可能性もあるので注意が必要です。
外資系企業
外資系企業は大学3年生の早い段階から就職活動を解禁しているため、大学4年生に入るときにはほとんどの学生が内定をもらっています。そのため外資系企業への入社を考えている学生は、大学3年生の夏には選考の準備を開始しましょう。スケジュールの詳細については以下の通りです。
- インターンシップ 【大学3年6月~大学3年9月】
- 選考活動 【大学3年10月~大学3年11月】
- 内定 【大学3年11月~大学3年12月】
大学3年生の冬には内定が確定することもあるので、第一希望の企業を受ける前に挑戦してみるのもいいかもしれません。
一部マスコミ
マスコミは経団連に加盟していても早めの選考が可能です。マスコミ業界の場合、マスコミの大手企業での採用が終わった後に地方で採用することがあるためです。そのため大学3年生の冬から選考を始める傾向があります。
- インターンシップ 【大学3年6月~大学3年10月】
- 選考活動 【大学3年11月~大学3年3月】
- 内定 【大学3年12月~大学3年3月】
就活の内定時期
経団連に加盟している大手企業は「採用選考指針」に従って大学4年の6月1日より選考を開始するため、内定時期は大学4年の6月~8月が一般的です。
これに対して経団連非加盟大手企業は、全体的に加盟企業よりも早く選考を行い、それに伴って内定出しも早い企業がほとんどです。大学3年の3月から内定を出し始める企業もあります。売り手市場の今、採用時期が指定されておらず優秀な学生をほかの企業より早く採用できるというチャンスがあるため、早めに動き出す企業が多いというわけです。
その中でも、外資系企業と一部のマスコミは開始時期が非常に早いといわれています。外資系企業は大学3年の11月から内定を出し始め、年内にはほとんど選考が終了しているほど。また、一部マスコミも大学3年の12月から内定を出し始め、大学4年になる前に内定を出し切っているのが一般的です。
大学3年生の半年間で人生が大きく変わる
大学3年生になると周りの仲間とも打ち解け、サークルに後輩もできている頃です。授業もひと段落して落ち着きのある大学生活になることで、少し気が抜けてしまうことも。しかしここで気が抜いてしまうと、その後待ち受けている就活に大きな影響がでてしまうこともあります。それでは就活に向けて学生は、どのような対策をするべきなのでしょうか。
大学生3年生の就活に向けての動き
大学3年生でしておくべき動きの一つが「インターンシップ」です。インターンシップに参加して得られる経験・知識は、あなたの就職活動を有利な方へ導いてくれます。インターンシップには短期タイプと長期タイプの2種類があり、得られるものも違ってきます。早くから長期のインターンを受けておくと、余裕を持って就活に挑むことができるというメリットもあります。またインターンで出した成果は、就活でも評価される基準になります。
10月には外資系の選考が開始される
大学3年生の10月には、外資系の選考が始まるので、外資系に就職したいのであれば早めに対策を練る必要があります。また第一志望の企業の選考の前に、練習として受ける学生もいるので、就活が不安な人は一度腕試しで受けてみるのもいいかもしれません。
早めに相談する必要がある
就活は4年から始めればいいと考えていると、準備が間に合わずに内定をもらえなくなることも。そのため大学3年生から、就職活動について相談できる相手を作っておきましょう。早めに相談をすることで、就活の動き出しが遅れず、希望の企業に内定をもらえる確率が高くなります。また就活では壁にぶつかることも多々あるので、そのときにサポートしてくれる存在は非常に重要になります。
就活が終わる時期の平均はいつか
就活の開始スケジュールを押さえたところで、次に、就活が終わる時期はいつなのでしょうか。
経団連に加盟する大手企業が内定を出すのは大学4年の6月から8月までと言われていますので、一般的には8月いっぱいが就活を終わらせるおおよその目途になると考えられるでしょう。
大学3年の冬や大学4年の春から内定をもらい始め、その後も他の企業の選考を受け続けている学生は、8月頃に自分が内定をもらったうちどの企業へ就職するのかを最終的に選択することになります。
自分の納得のいく結果を求めて多くの企業の選考にチャレンジすることも良いですが、就活全体のスケジュールのイメージを押さえ、就職先を決定する時期まで計画的に考えることが大切です。
就活はいつまでやっているとやばいの?
上記で述べたように、多くの企業が8月いっぱいを目途に内定出しを終えることから、9月以降も内定をもらっていない人は、少し焦る必要があるかもしれません。
特に大手企業は人気なため、それだけ優秀な学生も多く集まりますので、競争率も高く早めの動き出しが重要です。
大手企業の中には、大学4年の秋から「秋採用」を始める企業もあります。しかし、これは企業側が、留学へ行っていた学生や部活動・資格試験などで春夏に就職活動ができなかった学生の中で、優秀な学生がいれば採用したい、というものです。
通常の採用に比べて枠が少なく、難易度が高い特別枠といえますので、基本的には通常の選考で内定をもらえるようにするのがベストです。
就職活動に向けていますぐ始めるべき対策
就職活動は大学3年生だけの問題ではありません。大学1、2年生も就活を始めるにはまだ早いと考えるのではなく、いまから就活について考えておくことで、第一志望の企業に内定をもらえる確率が高くなります。また就職活動の対策をすることは、大学生活を充実したものにしてくれます。そこでここでは、誰でもいまから始めるべき就活対策を紹介します。
業界研究、企業研究、職業研究
多くの大学生が、業界、職業、製品について意外と知らないものです。そのためインターネットで調べると、自分の知らないさまざまな企業や業種を発見することができます。「就活の時にこの会社を知っていたら……」と就活が終わってから後悔しないように、今から企業について調べておきましょう。また大学の就職課には、卒業生がどんな企業に就職したのか調べることもできるので、ぜひ利用してしましょう。
自己分析
多くの学生は就活の時期になって初めて自己分析を始めますが、自己分析はなるべく早い時期にすることをオススメします。自己分析をすることによって、どんなことにやりがいを感じ、自分はなにをしたいのかを明確にすることができます。就活で大切になるのは勿論のこと、なにがしたいのかが明確になっていると、大学も充実した生活を送ることができます。
面接でアピールできるような経験を積む
ほとんどの就活の面接では、「学生時代に一番頑張ったこと」「自己PR」を話します。
そのためサークルや部活、ボランティア、アルバイトなど、「頑張った内容」と「そこで得た経験や教訓」を伝えられるようにしておきましょう。
インターンで経験を積む
「なにか経験を積みたい!」と考えてもいいアイデアが浮かばなかった場合、インターンシップに挑戦するのも一つの方法です。インターンシップには短期と長期の2種類があり、以下のような経験ができます。
短期インターンシップ
短期インターンシップでは期間が1~2日、長くても数週間です。業務そのものを体験するのではなく、一緒に参加した学生同士でグループワークを行う内容がほとんどです。どんな企業に入るか悩んでいる学生におすすめの経験です。
長期インターンシップ
長期インターンシップは、期間が1ヶ月以上のものを指します。実施している多くはベンチャー企業で、内容は会社の実務を体験することです。短期インターンシップに比べて業務内容を深く理解することができ、活躍すればそのまま内定をもらえることもあります。
海外インターンシップ
海外インターンシップは、海外でインターンシップを行うことを指します。業務内容によっては英語が必須であったり、なにかしらの資格が必要であったりしますが、日本ではできない経験を積める可能性もあります。
就職活動にフライングはない!いまから対策しよう
就職活動にフライングはありません。ESの提出や面接の時期は決まっていても、その対策はいつからでも可能です。幸いにも大学にはキャリアセンターがあるだけでなく、いまでは一般企業の専門家が無料で相談にも乗ってくれます。インターンを始めるべきかどうかも含め、しっかりとご自身で考えましょう。ただしこれからすぐに就職活動が必要な人は、今すぐ準備を始めましょう。就職活動に早すぎることはありません!